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  • 2012.12.29 Saturday
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サンフランシスコでお散歩 その4

シェ・パニーズの事はあまりたくさん語りたくない。
シェ・パニーズを言葉にしても、空しい様な気がするからだ。
 
   

シェ・パニーズは、小宇宙、という感じのレストランだった。
 
                                                  *

一歩中に入った瞬間に、特有の空気感の様な物にふわあっと、包んでくれる様な店がある。
その店だけの、完成された空気があって、隅々までその空気に満たされている。

そういうなんとも言えない、暖かくて切ない様な至福に満ちた空気感に包まれて、ずうーーーーっとそこにいたくなっちゃう様な、シェ・パニーズは、そんなお店だった。

    

私は基本的に、お店の雰囲気がそこまで完成されていると、味にはあまりこだわらなくなる。

もちろんそりゃあ、食べてみたらあり得ない程異世界的な味付けで、これは多分不法に地球に侵入した宇宙人が、身分を隠してレストランをやっているのであって、彼らにとっては地球の味付けもしくは食べ物なんてものそのものが、はなから理解できないんじゃないかしら、だからこんなお味になってしまったのね的なレベルにまで行ってたりすると、こだわるのこだわらないのの問題じゃなくなるのだが、ここで言うのはつまり、ある程度の星数をげっとんな上でのお味付けという意味でございまして、地球外レシピ的なお味でもいいとかそういうお話じゃございませんのよ。おわかりかしら下々の皆様。

そしてシェ・パニーズと言えばとりあえず料理は絶品だと言われているお店だけれど、私にとってはお店の雰囲気だけで既に大満足だったわけで、もう食べなくても、みたいな。料理の話はさておいて、みたいな感じなのである。

というのも、実はここのお料理が私にとって、噂に違わぬ超絶品だったかと言うと、そういうわけでも無かったのである。

とても美味しかった。
でも、かなりオーソドックスではあった。のである。

現アメリカのフュージョン系料理というのはもっともっとエッジィで、あっと驚く様な斬新な美味しさが蔓延している為、それに比べるとシェ・パニーズのお料理は、やや前時代的な、気立てのよい奥様の家庭料理、という印象だったのである。おとなしい、っていうのかな。

平凡、ていうのとはまたちょっと違う。
この奥様は、多分アート系が入っている奥様で、学生時代はインスタレーションとかやってたかもしれない。ファッションも一風変わっていて、80年代のダイアン・キートンみたいな感じだ。
ボーイフレンドはウディ・アレン。

そう、まさにダイアン・キートンが作ったみたいな料理なのである。厨房の奥から今にもけだるそうに出て来そうだ。美味しかった?そう?今は味付けよりも素材よね。あたしは最近そんな感じ。なんて言いそうな気配がふんぷんと。

    


まあなんて言うんでしょう。ダイアン・キートンは、そんなに工夫しなさそうじゃなくて?
でも、古風なレシピに忠実に従うタイプでもない。そんな感じ。

もしかしたら、オーダーした料理にもよるのかもしれない。

けれど、カリフォルニアキュイジーヌというのは本当に底力のあるお料理で、実に様々に工夫された形での絶品料理の数々がカリフォルニア中にはびこっている為、私が今まで食べたカリフォルニアキュイジーヌの中ではこのシェ・パニーズの味は、中程度に美味しい、という印象だったのである。

しかしだからと言って、ここに足を運ぶ必要は無い、とかいう話ではない。

先ほども書いた様に店の雰囲気が素晴らしいのであって、そしてまたオーダーした物によってはより素晴らしい味に巡り会えるのかもというポテンシャルも感じさせてくれる、大変素晴らしいレストランなのである。

   

特に厨房がオープンになっており、客の侵入を快く許してくれる辺り、ダイアン・キートンは本当に誇りを持って自信を持って料理を提供してくれているんだな、というのが伝わってくる。

そしてなによりも、料理のエネルギーがいい。
よい素材を使って、丹念に料理されている、そう感じさせてくれる味なのだ。
多少インパクトが薄くても、あるいは多少味付けが好みに合わなくても、根本的な所がなんだか正しい、そんな感じのお料理なのである。

しかも食べているうちに、どんどんどんどん幸福になってくる。
それは店の空気にも理由があるのかもしれないけれど、シェ・パニーズはとにかく、それ全体がひとつの完璧な、ちょっとわくわくする様な空気を醸し出す、小宇宙的なお店なのである。




                                                    *


ところで私の悲惨なファッションは、シェ・パニーズで不評だったかというとそんな事は無く、その日はカフェの方の利用だったので、思いやりをもって受け入れてもらえたのである。

しかし二階のカフェから降りてくる時、ちらりと見えた一階のレストランの窓際の席には、シルクのフォーマルドレスを身にまとったお上品なおねいさまが、お上品にお食事をなさっておられた為、数日後に再び、シェ・パニーズ、レストランの方を利用する事になっていた私達は、ていうか主に、アメリカ西海岸に対して失礼な程なめた了見を持ち合わせていたが為に、実際の所パジャマ以上の服を持参してこなかったと言ってもいいこの私は、本気でお洋服の事を考えなきゃならなくなったのである。

ところで、このブログでシェ・パニーズについてはもう多分触れないと思う。
だから、後日レストランを利用した時の話もここでちらっとしておこうと思う。

後日、再びシェ・パニーズを訪れた私達は、厨房の中にダイアン・キートンを発見した。じゃなくて、この店のオーナー、アリス・ウォーターさんが、偶然にもいらしていて采配を振るっておられる所を見る事ができたんですね。ラッキーでした。

レストランでは日替わりのコース料理をいただいた。
デザートに乗っていたあるパーツが美味しくて、店の人を呼びつけて余分に買って持ち帰りたいとかなんとかくだを巻いた記憶がある。

私の服装はどうだったかと言えば、同行者ジュエリーがスタイリストだった為、サンフランシスコ ダウンタウンでお安いけれど気の利いた服を見立ててもらい、あっと言う間におしゃれさんになった私は、周囲を圧巻する様な魅力を振りまきながら、問題無く入店できたのである。

(続く)




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コメント
こんばんは。
私もスタイリストにおしゃれにしてもらいたひ。。

いや〜しかし、私、

>私にとってはお店の雰囲気だけで既に大満足だったわけで、もう食べなくても、みたいな。

そんなこと、ありえるんですね。すげぇ。
超雑食&巨食な私には、そんな事は無理だ。雰囲気だけで満足なんて!!
いや〜カルチャーショックでした。まじで!

>というのも、実はここのお料理が私にとって、噂に違わぬ超絶品だったかと言うと、そういうわけでも無かったのである。

あ、そうなんですね。
かなり有名店ですよね。ここ。
あ〜おいしぃカリフォルニアキュイジーヌをあきるまで食べつくしたひ。
  • エミリア
  • 2011/04/11 10:41 PM
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プロフィール


大竹 サラ

漫画家兼業ミュージシャン/14人編成の無国籍風楽団パスカルズのメンバーだったり小学館の少女漫画雑誌で連載を持つ漫画家だったり、他にも色々な顔を持つ人生旅だらけの女。

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