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  • 2012.12.29 Saturday
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サンフランシスコでお散歩 その12

 久しぶりの更新で、いきなりの文句というのもあれなのだが、ひとこと言っておきたい事がある。

ZUNI CAFEに。

ZUNI CAFEというのは、先に触れたシェパニーズの姉妹店で、これまた素晴らしく美味しい料理を出す人気の店である。
個人的には、比較的クラシック、と感じたシェパニーズの料理よりも、エッジィなZUNIの料理の方が私好みであった。

いや、私好みなんて、ひとことで言えるもんじゃない。
私がオーダーした魚料理なんて、どうしてただの魚のフライにお花の香りがするの、というような、感動の方向さえ新しい奇抜な美味しさを味わったし、ポテトのオーダーした菫の花の乗っかったデザートなんて、森に迷い込んだ夕闇の中で、妖精主催の妖精国スイーツ・コンテスト、略して妖精スイコンに遭遇して、一等賞のデザートをご馳走になってるんじゃ、ってくらいの感動モンだった。

様々に斬新な方向に進化しているカリフォルニア・キュイジーヌは、私にとって最も興味をそそられる料理である為、何年にも渡って沢山の店に足を運んできたのであり、そして今のところ一番のカリフォルニア・キュイジーヌ・レストランは、カーメルのミッション・インの前にある薫製の店なのだけれど、ZUNIはそれに並ぶ、新鮮で新たな起源になれるような味を持っている店だと、私は思うのである。


そんな素晴らしいZUNI CAFEであるが。

私にしてみれば致命的とも言える欠点が、あの店にはあるのである。

なのでここで文句を言っておこうと思う。

何についてか。

それは他でもない、あのロケーションについてである。


あのロケーションは、一体なんのマネなのか。


 
    


なんであんな素晴らしいレストランが、荒くれ者の巣窟の、シビック・センターにあるのか。


なんであんな素敵な佇まいのレストランの周りに、割れた火炎瓶のカケラが、沢山落ちているのか。


なんであんな繊細な味の料理を出すレストランの周りのビルの壁に、下品でエッチな落書きが、いっぱい書いてあるのか。



なーーーーんーーーーでーーーーーーーーーなーーーーーのーーーーーーかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。



ポテト達と一緒だったからこそ行けたけれど、私ひとりじゃもう、到底無理なのであり、どんなにあそこのお料理をまた食べたいと思ったところで、あんなロケーションにあったんじゃ、今後どうやって辿り着けばいいのか、見当もつかないのである。


初めての来訪であったあの日だって、行きにつかまえたタクシーがレストランの前でいきなりエンコしてしまい何が起こったのかと思いきや、なんと落ちていた火炎瓶のカケラを轢いてパンクしてしまったのであり、その瞬間タクシーの窓から街の様子を見た私は、とっさに瓶のカケラは罠なのでは、とさえ思ったのである。

パンクして動けなくなった獲物を、あっという間に荒くれ者共が取り囲み、恐ろしい目に遭わせるっていう筋書きなのではと、容易く想像できたのである。

幸いあの日は、荒くれ者共の足が遅かった為、私達はなんとか無事に店に逃げ込む事ができたのではあるが。


何故、あんなに人気のある名の通った素晴らしいレストランが、あのようなロケーションにあるのか。


その理不尽について、今まで私は何度思いを巡らせたことだろう。

そして最近ようやく、理由らしきものに辿り着いたのである。

それはこういうことだ。


あの有名な評判の店には、世界中から客が集まる。

普通に予約を取ったのでは、きっと30年待ちくらいなのだ。

けれど何故か、40分程の待ち時間で、テーブルに通してもらえた私達。

それは何故か。


それは他でも無い、大方の客は、店に辿り着く前に、あの火炎瓶のカケラの罠にはまってなき者にされたのであり、言わばあの店に辿り着くのは、精子が卵子に辿り着くのにも似た、過酷な道のりだ、ということなのである。


あの店に辿り着き、あの素晴らしい料理にありつく為には、荒くれ者や不潔な道路や下品な落書きという数々の苦難を乗り越えねばならないのであり、つまりはそれを通過した勇者こそが、あの店の料理を堪能するに匹敵する、相応しい資格を有するのだという、ZUNI CAFEからのメッセージなのではないだろうか。


そしてあの日、私達は勝った。


落書きや、瓶のカケラや、舞い踊るゴミをかいくぐり、あのレストランの扉を、開ける事が叶った。

そしてこの世の物とは思えない程素敵なディナーを味わったのである。


みんなで、力を合わせたからこそ。



     

(続く)





















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  • 2012.12.29 Saturday
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  • 00:47
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プロフィール


大竹 サラ

漫画家兼業ミュージシャン/14人編成の無国籍風楽団パスカルズのメンバーだったり小学館の少女漫画雑誌で連載を持つ漫画家だったり、他にも色々な顔を持つ人生旅だらけの女。

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