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  • 2012.12.29 Saturday
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サンフランシスコでお散歩 その8

 前回、遠い昔の記事の投稿において

とここまで書いてその件について謝っておかねばなるまいと気付いた。大人として。大人の女として。大人の、ミステリアスな妖艶な美女として、謝っておかねばなるまいと。

なんでこんなに投稿が開いてしまったのか。

本当にごめんなさい。
他のニヒマガ著者達は、本当にせっせと真面目に期日通りに投稿してるってのに、この妖精と見まごうばかりの輝く美女の私ったら、なんでちゃんと出来ないのかしら。

それはひとえにあれである。

この旅が、もうずうっと昔の事だからなのである。

旅日記のモチベーションてさあ、みんなそれぞれあると思うけど、私の場合は、ねえねえ聞いて聞いてこんな事があってさー、っていうやつだから、もうずうっと前に済んでしまってさんざん反芻した後の旅の事についてあれこれ書くのは、ちと、ハードルがあるんですよ。
特に私の場合、あの後数えきれない程旅に出てるからね。

でも書くけどね。始めたからには終わらせてみせるよ。大人として。大人の女として。大人の、大輪の薔薇の様な美しい女として。

というわけで、前回の投稿で、集団旅行にも関わらずひとり戦隊を脱して男に会いにいって酷い目に合わせた話を書きましたが、私にはもうひとり、知らないうちにいつも酷い目に合わせてしまう男がいるんである。

前回の投稿の同じ日の遅い午後、私はその人にも会いました。

その人は昔なじみのスコットランド系アメリカ人の男性で名前をマルコム・マクドナルドというのである。
何故わざわざここでフルネームを明かしたのか。
それは、マルコム・マクドナルドを検索してもらうとわかるのだが、これは昔のスコットランドの王様の名前だからなのである。

結構おもしろい歴史を、この名前から辿る事ができるので、皆様への贈り物として、フルネームをお教えしたわけです。

で、この人物は昔遠い山の街に住んでいたのだが、わけあってサンフランシスコのマリンに引っ越して来て早10年くらいたっただろうか。

ですので私にとって、サンフランシスコと言えばマリンだ、という時代が何年も続いた。マリン地区というのは実にのどかで瀟洒な場所で、私はこのマルコムに連れられて端から端まで探索したものだが、実にのどかで瀟洒な場所なのであった。
瀟洒と言っても、新しい今時なアメリカのモールって感じではなく、もっと暖かく沈み込む様なくつろぎに満ちた、丁寧に生活を送る人たちに育まれている土地といった感じなのだ。

それに比べるとダウンタウンは荒れ地であり掃き溜めである。
だからダウンタウンへは、そんな場所に耐性のあるポテト達と一緒でなければ到底降り立てなかったであろう。貴重な体験だ。長く時間のたった今では大変感謝している。

というわけで、そんな素敵なマリンに住むマルコムなのであるが、そもそも私がサンフランシスコにいると聞いて、もちろん会おうよという話になるではないか。昔なじみなのだから。
そして彼は楽しい遊びの計画を立ててくれた。

車でダウンタウンまで私を迎えに来て、そのままマリンのまだ私の見ていない地区を、ドライブしようと言ってくれたのである。
ありがたいではありませんか。折しもあの日私は午前中に、ダウンタウンの顔とも言える恐ろしいテンダーロイン地区で、ジャンキーに囲まれる荒んだ体験をしたばかりなのだし。

午後はマリンの爽やかな風に吹かれて、いやなことみんな忘れちゃおうじゃないの。ってなもんであり、私はそれだけを心の支えに、あの日数々の苦難を乗り越えたのである。

ところが。

マルコムは来た。

でも、マリンへは行かなかった。

それは何故か。

マルコムの家が、火事になったからである。

火事でぼうぼう燃えている家をほっといて、とりあえず会いには来てくれた。

なんでも出火したのは明け方近くで、それからずっと眠らずに、近所のアパートに無事そうな荷物を移し、くすぶる家をあとにしてくったくたな状態で、会いに来てくれたのだそうである。

マルコムの手には私への誕生日プレゼントが握られていて、なんだかそれが涙を誘った。

そんな事情なので、彼としてはマリンを案内したあと遅くなれば私を彼の家に招待しようと計画していたらしいのだが、その全ての計画を変えねばならず、私はマリンのさわやかな風に当たり損ねたのである。

私達はダウンタウンの桟橋に出て食事をし、まあそれでもじっくりといい時間を過ごして別れたのであるが、私の心には一抹の、なんというのであろうか、無力感? のような物が残った。

何故なら彼は、私と会う度に、例外無く災難に見舞われるのだから。

過去、20年近くに及ぶ友情の中で、それは常に繰り返されて来た事なのだ。

彼のコンピューターがクラッシュし、大事なデータが全て消えたのは、初めて一緒に映画を観に行った日だった。

ランチを食べれば交通事故に遭い、ドライブをした日には台風による洪水で、家が浸水し避難しなければならなかった。
つまり今燃えてる家は、浸水したあと住めなくなった家をあとにして移り住んだ新しい家なのである。

そんな事ばっかり。

だから私は自分からは決して彼に会おうって言わないのに。

彼は根気よく連絡をくれて、こうして会いにきてくれるのである。

この相関関係に、何故気付かないのか。

気付かないのなら、もうちょっとそっとしておいてあげようではないか。

というわけで、マリンのドライブは逃したが、終日ダウンタウンで過ごして結構私には楽しい一日になった。

思えばあの旅は、ダウンタウンを満喫しようというものだったし、そういう時には他の土地の風を入れない方がよかったのかもしれない。

ダウンタウンは掃き溜めみたいな街だけれど、結構魅力的だということもよくわかったし。

    

(続)






























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  • 2012.12.29 Saturday
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  • 00:54
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プロフィール


大竹 サラ

漫画家兼業ミュージシャン/14人編成の無国籍風楽団パスカルズのメンバーだったり小学館の少女漫画雑誌で連載を持つ漫画家だったり、他にも色々な顔を持つ人生旅だらけの女。

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